2004年から延べ11編成110両が製造された東葉線の新車、2000系。
その2000系が山口県下松市で製造されてから千葉県八千代市の緑が丘車庫にやってくるまでの搬入行程。
3日間、1000km超。
この行程による搬入の記録を特別特集としてお送りする。
日立製作所で製造された2000系は、山口県下松市にある笠戸工場最寄の山陽線下松駅から3日掛けて、
JR貨物をはじめとした各社の連携によって甲種輸送で中野駅まで輸送されている。
到着後、中野駅からは1000形の出迎えを受ける。
1000形の先導による20両で緑が丘車庫まで搬入回送され、無事に全輸送行程が終了となる。
一通りの甲種輸送の流れをシュミレーションしながら、解説しよう。
輸送1日目、下松駅からは他車両でもおなじみの日立甲種スジの8862レで輸送される。
8862レのダイヤは以下の通り。
●8862レダイヤ
8862レ
下松16:15〜8862レ〜横浜羽沢(翌)18:03
|
日立製作所の入替機で下松駅引込み線に送り込まれた後、JR貨物の甲種輸送担当機が連結される。
この甲種輸送担当機は各回ごとに変化し、色々な機関車との組み合わせが実現した。
各回の機関車と甲種輸送の実績は以下の通り。
2004年度 |
輸送日程 |
輸送編成 |
下松駅〜横浜羽沢駅間牽引機 |
備考 |
9/28〜30 |
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延期 |
10/5〜7 |
2000系01F |
EF65 1031 |
岡山機関区・更新色・黄プレ |
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12/22〜24 |
2000系02F |
EF65 1005 |
新鶴見機関区・原色・切抜 |
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1/19〜21 |
2000系03F |
EF66 121 |
吹田機関区・更新色 |
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2005年度 |
9/7〜9 |
2000系04F |
EF65 1012 |
岡山機関区・更新色・黄プレ |
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10/5〜7 |
2000系05F |
EF65 1093 |
岡山機関区・更新色・青プレ |
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11/2〜4 |
2000系06F |
EF210 103 |
岡山機関区 |
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11/30〜12/2 |
2000系07F |
EF210 102 |
岡山機関区 |
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2006年度 |
9/6〜8 |
2000系08F |
EF210 107 |
岡山機関区 |
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10/4〜6 |
2000系09F |
EF210 16 |
岡山機関区 |
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11/1〜3 |
2000系10F |
EF210 105 |
岡山機関区 |
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11/29〜12/1 |
2000系11F |
EF210 3 |
岡山機関区 |
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そしていよいよ山陽線下松駅に入線。様々な整備が行われいよいよ16:15、定刻出発となる。
瀬戸内海沿いの山陽線を快走し、途中南岩国駅・広島貨物駅・西条駅・本郷駅・糸崎駅・東福山駅で停車。
新倉敷駅通過後、日付が変わって輸送2日目に。
●1日目の輸送概要
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JR西日本・山陽線 Sanyo-Line |
二
日
目
へ |
日
立
製
作
所 |
下
松 |
南
岩
国 |
広
島
貨
物 |
西
条 |
本
郷 |
糸
崎 |
東
福
山 |
新
倉
敷 |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
→ |
山
口
県 |
広
島
県 |
岡
山
県 |
2日目最初の停車駅は西岡山駅。その後和気駅・宝殿駅に停車してゆく。
いよいよ山陽線ともお別れで、明け方の関西は尼崎駅から北方貨物線へ。
大阪のキタを抜け、吹田信で停車。東海道線に入る。その後も続いて草津駅・米原操の順に停車。
滋賀県は米原駅からJR東海の管轄に。
柏原駅・稲沢駅・共和駅・幸田駅・三河三谷駅の順に停車し、白昼堂々と名古屋を抜ける。
静岡県に入って最初の停車駅、新居町駅に到着。
●JR東海・新居町駅にて <静岡県浜名郡新居町>
EF210 103+2000系06F |
続いて西浜松駅・静岡貨物駅・沼津駅に順に停車しながら、東海道線を快走。
●JR東海・弁天島駅にて <静岡県浜松市舞阪町弁天島>
EF210 103+2000系06F |
●JR東海・安倍川駅にて <静岡県静岡市葵区>
EF210 103+2000系06F |
●JR東海・富士駅にて <静岡県富士市>
EF65 1005+2000系02F |
●JR東海・吉原〜東田子の浦駅間にて <静岡県富士市>
EF210 103+2000系06F |
丹那トンネルを抜け、神奈川県に入り途中から複々線のうち貨物線を快走。辺りは日没の風景。
途中西湘貨物駅に停車。戸塚駅から旅客線と離れて、横浜羽沢駅に停車。ココで機関車交換。
ココからは9864レのスジで輸送。ダイヤは以下の通り。
●9864レダイヤ
9864レ
横浜羽沢18:46〜9864レ〜新鶴見19:06 |
日が暮れた頃発車し、いよいよ東京都へ。新鶴見信に停車し、武蔵野貨物線に入線。
ココからは9275レのスジで輸送。ダイヤは以下の通り。
●9275レダイヤ
9275レ
新鶴見19:32〜9275レ〜八王子20:25 |
南武線を経由して夜の立川駅に停車。そのまま中央線を進んで八王子駅に到着。
2日目の輸送はこれで終了。長い旅の途中、ココでようやく一息つくことに。
●2日目の輸送概要
JR西日本・
山陽線 Sanyo-Line |
JR西日本・
北方貨物線 HoppoKamotsu-Line |
JR西日本・
東海道線 Tokaido-Line |
JR東海・
東海道線 Tokaido-Line |
JR東日本・
東海道線 Tokaido-Line |
JR東日本・
武蔵野線 Musashino-Line |
JR東日本・
南武線 Nambu-Line |
JR東日本・
中央線 Chuo-Line |
二
日
目
へ |
新
倉
敷 |
西
岡
山 |
和
気 |
宝
殿 |
尼
崎 |
吹
田
信 |
草
津 |
米
原
操 |
米
原 |
柏
原 |
稲
沢 |
共
和 |
幸
田 |
三
河
三
谷 |
新
居
町 |
西
浜
松 |
静
岡
貨
物 |
沼
津 |
熱
海 |
西
湘
貨
物 |
横
浜
羽
沢 |
新
鶴
見
信 |
府
中
本
町 |
立
川 |
八
王
子 |
● |
● |
● |
● |
→ |
● |
● |
● |
→ |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
→ |
● |
● |
● |
→ |
● |
● |
岡
山
県 |
兵
庫
県 |
大
阪
府 |
滋
賀
県 |
愛
知
県 |
静
岡
県 |
神
奈
川
県 |
東
京
都 |
八王子駅で3日目を迎え、深夜0:43定刻発車。
真夜中の中央線を進み途中三鷹駅に停車し、中野駅に1:29定刻到着。
長かった甲種輸送の旅路もココで無事終了。JR貨物の機関車が切り離される。お疲れ様!
ココまでは9378レのスジで運転された。ダイヤは以下の通り。
●9378レのダイヤ
9378レ
八王子(翌)0:43〜9378レ〜中野1:29
|
やがて東葉からやってきた1000形が前に連結。ココで初めて東葉車両と出会うこととなる。
そして2:25頃定刻発車。1000形先導で地下に入り、非常にゆっくりとした速度で真夜中の東西線で東京を貫く。
千葉県に入り、3時半前に西船橋駅到着。ここからいよいよホームグラウンドとなる東葉線に入線。
3:45頃八千代緑が丘駅に到着。続いて緑が丘車庫に搬入される。
●東葉高速鉄道・八千代緑が丘駅〜緑が丘車庫間にて <千葉県八千代市>
1000形06F+2000系10F |
3:50頃無事緑が丘車庫に到着。続いて最後尾にモーターカー(アント)が連結され、入換作業を行う。
●東葉高速鉄道・緑が丘車庫にて <千葉県八千代市>
1000形06F+2000系10F+モーターカー |
●東葉高速鉄道・緑が丘車庫にて <千葉県八千代市>
2000系10F+モーターカー |
●東葉高速鉄道・緑が丘車庫にて <千葉県八千代市>
2000系10F+モーターカー |
●東葉高速鉄道・緑が丘車庫にて <千葉県八千代市>
2000系10F+モーターカー |
牽引してきた1000形と2000系+アントが無事ピットに入庫し、全行程終了。
3日目の朝日は緑が丘車庫で迎える。ココまでは90Tの運用で運転された。ダイヤは以下の通り。
●90Tのダイヤ
90T運用
八千代緑が丘23:42頃〜B2390T【回送】〜中野
中野2:25頃〜A290T【回送】〜八千代緑が丘3:45頃 |
以上山口県下松市から千葉県八千代市まで3日間、1000km超の距離を走った2000系計11編成110両。
その後試運転を経て、今日は主役として活躍している。これからも2000系の活躍を見守っていきたい。
JR東日本・
中央線 Chuo-Line |
東京メトロ・
東西線 Tozai-Line |
東葉高速鉄道・
東葉線 Toyo-Line |
|
終
了 |
八
王
子 |
三
鷹 |
中
野 |
西
船
橋 |
八千代緑が丘 |
緑
が
丘
車
庫 |
● |
● |
● |
● |
● |
● |
東
京
都 |
千
葉
県 |
3年間に渡る2000系搬入の記録を、各地で取材の上まとめてみましたが、如何だったでしょうか。
1000形から2000系への世代交代として東葉線の歴史の1ページとして心に残していただければ幸いです。
最後にご覧頂きましてありがとうございました。
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